「若き日の彼」
ゲイザ達が旅をする14年前のこと。
ガラド=ゲラデクが傭兵をしていたときの話だ・・・・・・
ガラドは傭兵として、イファム村に住むディーファという男に
依頼を頼まれて遠く離れた自分の家からイファムまではるばる
やってきた。
そのころのガラドは25歳で、大きな斧を武器にして傭兵を
し、働いていた。
とりあえず、イファムについたガラドはディーファの家へ行くことにした。
ガラドがその家に入ると、年老いた男が椅子に座っていた。
「おぉ、お主がガラドか」
「ああ・・・・・・俺がガラドだが、用件はなんだい?
面倒なことはカンベンだぜ?」
「まあ、座りなされ」
ディーファにそういわれたガラドは言われた通り、ディーファの
向かい側にある椅子に座った。
「まあ、ここの村の近くに洞窟があってな・・・・・・その洞窟には
凶暴な魔物たちがすみついておるのだ」
老人は目を細めてガラドを見ていた。
「へぇ〜・・・で、その魔物を退治してこいと?」
「そうですなぁ・・・まあ、ガラド殿が安全だと思うくらいの数でいいの
だが、全部倒してきてくれれば報酬は上げるぞい」
それを聞いたガラドは椅子から立ち上がり、ニヤリと笑った。
「まかせな、全部倒してきてやるよ」
「それじゃ、頼みますよ。その洞窟は村を出て北に行った山にある」
「オーケー、オーケー。んじゃ、行って来るぜ」
ガラドはそういうとディーファの家を出てその洞窟へ向かった。
ガラドは洞窟の入り口に来ていた。
「こいつはちょっと・・・ヤバそうだな」
そういいながら、腰に下げていた大きな斧を手に取った。
どうやら洞窟には明かりがともっているので
火をつけてあるくことはなさそうだ。
「いっちょ行きますか!」
不気味な感じのする洞窟へ、ガラドは辺りを警戒しながら入っていった。
「おっかしいな・・・モンスターが出ないぞ・・・」
モンスターどころか、気配もなにも感じられない。
と、そのとき、洞窟の奥から何かのうめき声が聞こえた。
しかも、そのうめき声は1匹だけではなく、10匹ぐらいの声だ。
ガラドは斧を両手で持ち、辺りを警戒しながら慎重に進んだ。
すると、いかにも遺跡っぽい感じのおかしな部屋に出た。
そこにはウルフガウルというモンスターが10匹。
「ちっ、ようやく現れやがったか!」
ウルフガウルがガルルと声を出しながらガラドに向かって歩いてくる。
そして3匹、口から牙を出して襲い掛かってきた。
「翔破撃っ!」
斧を横に振ると襲い掛かってきた3匹のウルフガウルがガラドの
攻撃によってなぎ払われた。そして動かず、その場に倒れた。
「よっしゃ、3匹撃破っと!今度はこちらから行かせてもらう!」
ガラドは斧を両手で持つと残り7匹のウルフガウルの群れに
向かって走っていった。
「砕けろ!爆砕烈刃!」
斧の刃を地面に叩きつけて爆発を起こしてウルフガウルを焼き殺した。
しかし、まだ1匹生きていた。
「くっ、まだ残ってたのかよ!」
そのウルフガウルはガラドに噛み付こうとしたが、ガラドは
間一髪のところ、自分の体ではなく斧に噛み付かせた。
「そらよっ!」
その噛み付いた斧を飛ばし、ウルフガウルは切り裂かれ死んだ。
「よし、これで全部だな・・・・・・」
辺りを見回すとウルフガウルの死体が転がっているが、もっと
目に付いたもの。それは、石の箱。
「なんだこれ・・・・・・開けてみるか」
そういって、石の箱の蓋を動かしてみた。
すると、石の蓋の中央についている黒い石が輝き、ガラドが動かさずとも
その石の蓋は勝手に開いた。
「なんだ・・・こりゃぁ・・・!」
中に入っていたもの。それは首に黒い翼のついたペンダントをつけた
小さな赤ん坊だった。しかも、ちゃんと生きている・・・・・・
「しかたない、持って帰るか」
ガラドはその赤ん坊を抱え、イファム村まで戻った。
ガラドがディーファの家に入ると、ディーファはすぐさまガラドの方を見た。
「おぉ、戻ってまいられたか」
「あ、あぁ・・・・・・」
ディーファはすぐにガラドの抱えている赤ん坊に目が行った。
「その赤ちゃんは・・・・・・?」
「これか?洞窟にいたんだ。だから持ってきた。それでさ、あんたこの子
引き取ってくれないか?」
「ほうほう・・・・・・ワシにはちょっと無理ですなぁ・・・」
「そ、そうか・・・まあ、いっか・・・俺が育てるよ」
そういったガラドにディーファは金の入った袋を渡した。
「これが報酬金じゃよ。全部倒してきてくれたみたいだし、
多めにあげといたぞ」
「ああ、サンキューな。それじゃ」
ガラドはそういうと、ディーファの家から出て行った。
それからガラドは、その赤ん坊にマイと名づけ、自分の子供のように
育ててきた。そして今、ガラドは今も傭兵をしている・・・・・・
モドル
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