第\話「戦争」
タクス達は隣の王国ヘズリィの王都ヴァレスタールへ向かっていた。
「あっ」
アスザ姫が転んでしまった。そしてタクスが起こしてあげる。
姫というだけあって、城に閉じこもりっぱなしで運動神経はないに等しい。
「姫、休みましょうか?」
「はい、お願いします。すみません……」
「気にしないでくださいよ、姫を守ることが任務なんですから」
ネイアーは笑っていった。
それもそうだろう。姫が疲れてしまっても困る。
「それにしても、姫。なんでヴァレスタールへ? 何か用事でも?」
「あ、はい、そうです」
姫は少々難しい顔をしていた。
「何か、私に用事があるとか……少々信用しがたいですわ。
私だけなのだから、なおさらね。戦争でも仕掛ける気かしら?」
「ははは、そんな……」
ネイアーが冗談だと思って笑った、が、姫の顔は真剣だった。
「もしも戦争になったとしたら、こちらが不利ですからね。
だって、ヘズリィは武が一番栄えてる国ですのよ。
だからお願いしますね。私と守ってください。なんとしても」
アスザ姫はタクス達に微笑みかけた。
「この命に代えてもお守りいたします」
「ありがとう、心強いわ」
姫は笑っていった。しかしタクスは複雑な心境だった。
嫌な予感しかしない。それも、物凄く・・・・・・
するとそのとき、休憩している隙を狙って山賊がタクス達の周りを囲んでいた。
「ま、まさか、姫を狙っているのか!?」
「そんなバカな話ある?」
「ありえると思うけど、オレは……」
タクス、ネイアー、ガイはそういって、3人は武器を構えて姫を守るように囲んだ。
「山賊は6人。一人二人ずつ。行くぞ!」
タクスがネイアーとガイにそう指示を出すと、全員山賊に攻撃を仕掛けた。
「まとめて倒す!魔法剣エリアルブレード!!」
タクスは雷を纏った剣を持ち、ジャンプし二人の盗賊を空から突き刺した。
「よしっ!」
「くらいなっ!トルネードクロス!!
風をまとった二本の矢を射ち、二人の盗賊にクロスさせて射抜いた。
「一丁あがりっと!」
「凍れ!フリーズランサー!」
氷柱が残りの盗賊を射抜いたが、最後の人が立っていた。
「しぶといな・・・氷臥斬!」
最後の一人を氷を纏った剣で切り上げ、更に蹴っ飛ばして倒した。
とりあえず山賊は全滅できたようだが・・・
「きゃぁぁっ!」
「黙れっ!」
7人目がいたらしい。後ろに回りこんで姫をさらっていった。
「させるか!」
タクスは追いかけたが追いつかなかった。
「ねえ、見てこれ……ヘズリィの傭兵じゃない?」
倒れた山賊の服をみてみると、ヘズリィの傭兵が着ている服を中に着ていた。
「これは、やっぱり仕組まれていたのか……ガイ、ネイアー、一旦王の下へ戻ろう!」
タクス達は急いでライラズへ戻った。
「王様、姫がさらわれました!」
タクスは慌てて王に話しかけた。
「うむむ……そうか。やはり向こうの国は戦争をやっていたほうが儲かるらしいな。
全国民に伝えよ。ヘズリィと戦争をする!」
「はっ」
王の左にいた兵士が慌てて王の間を出て行った。
「すまないが、また依頼を受けてくれぬか?」
「もちろんです。これは俺たちの失態でもありますから」
「そうか……今ヘズリィにいる私の娘とヘズリィに派遣した
研究者が捕まっている。その二人を救助してきて欲しい。」
「わかりました」
タクス達は日が落ちてきたのでとりあえず王の間を出て宿屋で考えることにした。
「こんな……戦争なんて」
タクス達は宿屋の部屋で話し合っていた。
「なんでこうなるの? 殺しあってどうするの?」
ネイアーは泣いていた。家族を殺された辛さはまだ忘れていない。
「こうなったのはオレ達のせいかもしれない。なんとかして止めなきゃな。
それにはまず明日の任務をこなせばいいんだって」
ガイは何とか二人を励まそうとしたが元気がまったくでない。
ただ、前にある事件を目の当たりにすることしかできないからだ
「すぐ終わらせてやる……すぐ。
そして、ゲイザを探さなきゃいけないんだ」
続く
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