第U]X話「二騎当千」
「我が名はデュッセル=ウィルガイア……いざ、参るッ!」
「いくぜっ!!」
デュッセルは大剣を構え、キシュガルは槍を構えた。
「勝てる気がしないが……後には引けないっ!」
タクスも剣を構え、聖白銀の戦神と群青の守護神を見た。
「ウラァッ! サイクロントレーサー!!」
先に攻撃をしてきたのは群青の守護神、キシュガル=ランフォードだった。
槍を振り回して風を起こし、ガイとルベリィは宙に浮かせられた。
「くっ!」
「きゃぁっ!」
そして、地面に叩きつけられ倒れた。
「やるなっ……!」
「さすが群青の守護神……」
倒れたガイとルベリィは体制を立て直し、再び武器を構えた。
「キシュガル、相手を見極めず攻撃をするのは悪い癖だ。直せ」
「なんだよー! デュッセルは遅すぎなんだってば!」
デュッセルに注意されたキシュガルは少々ふくれ、怒っていた。
「我々二人でやるまでもない。キシュガル、お前から相手をしてやれ」
「出番なくなってもしらねーからな!」
そういって機嫌が直ったキシュガルは槍を振り回し、前に出てきた。
「ほら、誰でもいいからどっからでもかかって来なっ!!」
タクスは剣を構え、キシュガルに斬撃を与えた。
「無駄無駄ッ!」
すると、見事に槍で防がれタクスは後ろにすぐ後退した。
「えぇい!」
ルベリィはキシュガルの死角となった横をレイピアで突いた。
「何っ!?」
斬りなら防げるが、突きは防ぎきれなかった。
レイピアの先はキシュガルの服を貫いた。
「はぁぁっ!ブラッティスラッシュッ!!」
レイピアを上に切り上げ、ルベリィはそのまま跳躍し、背後を取った。
「くっ!! ウインドランスはそこまで防ぎきれないっ!!」
さすがにタクスの剣を防御しながら攻めることもできず、キシュガルはルベリィの攻撃を
ただ受けるしかなかった。
「手加減してあげるわ」
ルベリィのレイピアはキシュガルの背中を掠るように貫いた。
もちろん、少量の血が吹き出て、服も裂けた。
「そんな――群青の守護神とよばれるこのオレが………ッ」
「下がれ、キシュガルよ。ここは我が相手をする」
大剣を振るうデュッセルはキシュガルを下がらせ、大剣を構えた。
「受けよッ! 聖断刀・幻脚一刀!!」
大剣を軽々と片手で持ち上げ、その場で上に飛び、タクス達を目掛けて聖断刀を投げた。
「みんな、下がれっ!!」
タクスはネイアー、ガイ、ルベリィを下がらせ、自分一人だけ前に出た。
「そんな、無茶よっ!」
ルベリィが叫んだ。
「大地よ・・・魔法剣!!アースインパクトッ!!」
剣を城の床に突き刺し、床から尖った岩が出てきた。
その岩で聖断刀を防ごうというのだ。
「無駄だ! 聖断刀は岩をも砕くッ!」
聖断刀が岩に突き刺ささる。そして数秒後、岩は砕け聖断刀は再びタクス達の方へ飛んでいった。
「くっ、それなら!」
タクスは聖断刀に向かって突っ込んでいった。
「やるな……!」
デュッセルも、聖断刀へ向かって走っていった。
そしてタクスは飛んでくる聖断刀の目の前まで来た。
「そこだっ!!」
タクスは聖断刀を剣で弾き返した。
弾き返された聖断刀は床に突き刺さった。
「貴様、やるな……」
そういってデュッセルは聖断刀を床から抜き、再び構えた。
「待って、タクス」
ルベリィはタクスを呼び止めた。
「あなた、予知能力持ってるでしょう?」
そう小声でルベリィに言われたタクスは剣を両手で構えた。
「な、なぜわかったんだ!?」
「……わたしにもわかるから」
そう呟いてルベリィはタクスの横に立ち、レイピアを構えた。
「それじゃ、わたしの動きについてこれるよね」
ルベリィはタクスに微笑んだ。そしてタクスは頷いた。
「いくわよっ!」
一足先にルベリィがデュッセルに走っていった。
「何っ、動きが捕らえられんだと!?」
ルベリィはまさに俊足と言える速さでデュッセルに近づいていった。
しかも、残像が見える。
そして少し遅れてタクスもデュッセルに剣を構えて走り出した。
「わたしを捉えられるかしら?くらいなさいっ、グランドスラッシュ!!」
デュッセルの後ろに回りこんだルベリィは地を纏ったレイピアでデュッセルを切り上げた。
「タクスッ!」
「わかってる! 魔法剣、ファイアブレイク!」
剣先から出る炎でタクスはデュッセルを焼き尽くす。
「さらに、ウォータースラッシュ!」
ルベリィがレイピアに水を纏わせ、水の刃でデュッセルを斬りつけた。
「まだまだっ! アースインパクト!!」
怯んだデュッセルに追い討ちをかけるように床から尖った岩が現れ、デュッセルを突き上げた。
「これで終わりと思わないことね。エアースラッシュ!」
さらにルベリィが風を纏わせたレイピアでデュッセルを突き、さらに斬る。
「エリアルブレード!!」
タクスは剣に雷を纏わせ、ジャンプして空から突き刺す。
「これで終わりよっ!!」
「貫けっ!!」
「「エレメンタルインフィニティー!!!」」
タクスは風を纏った剣で、ルベリィは闇を纏った剣でデュッセルを突き刺した。
「ぐぅっ……俺の、負けだっ」
デュッセルは倒れた。
続く
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