第]X話「聖白銀の戦神」
タクス、ネイアー、ガイはバイラヴァに進入し捕らわれていた
姫と研究者、マリアズ=ダグラの救出をしていた。
しかし、牢屋に閉じ込められていたのはマリアズ=ダグラだけだった。
「それはいいけど、姫を助けたいなら大軍で敵の城に攻め込むことね」
マリアズは皮肉っぽくタクスに言った。
「仕方ない。姫の救出は無理だ・・・
今はマリアズ=ダグラの救出を優先させる」
タクスはマリアズを牢屋から出すために牢の鍵を剣で壊した。
「困ったね……姫がもう敵の城に連れ去られていたなんて」
少し困った顔をして、ネイアーは牢屋から出て行った。
「タクス、敵に見つからないうちに早いところさっさと出て行こう」
「そうだな。マリアズさん、ついて来れる?」
「えぇ……研究者だから、さすがに運動神経はよくないけどね」
タクス達はとりあえず、バイラヴァから脱出するために外に出た。
外に出てみると、周りが騒がしかった。
「まさか、この騒ぎよう……こちらの兵が見つかった!?」
タクスはそのことに気づき、剣を鞘から抜いて構えた。
「いつ戦闘になってもおかしくない。みんな、武器だけは持っておいてくれ」
その言葉に続いてガイ、ネイアーも武器を構えた。
そしてマリアズを守るようにタクス達は出口へちょっとずつ慎重に
走っていった。
そして、出口付近の家の影まで来れた。
「今だ! 門に兵がいない、走るぞ!」
タクスの一言で全員は門に向かって走り出した。
そのとき、門を通過する前に目の前に一人の大剣を持った剣士が現れた。
「敵っ!?」
その剣士は大剣を両手で構えた。
「我はデュッセル=ウィルガイア。聖白銀の戦神と称されし者……!
ヘズリィに楯突く愚か者共よ。我が聖断刀で浄化してくれるッ!!」
その言葉、そして大剣を構える身、目つき。
ガイにはわかった。
「お前は――デュッセル=ウィルガイア!? なんて厄介なやつが……!
みんな、気をつけろ! こいつはとてつもなく強いぞ!」
「ネイアーはマリアズさんを守って! 俺とガイはアイツと戦う!」
そういうとタクスはデュッセルを目掛けて走り出し、剣を振った。
「甘いッ!!」
その振られた剣は大剣に切り払われてしまい、タクスは吹っ飛んだ。
「何っ……!? なんて力だ!」
「くらえ、竜巻水神剣!!」
ガイは水の竜巻をデュッセルへ短剣で飛ばした。
そしてデュッセルはその竜巻に飲み込まれたと思った瞬間、
辺り一面に水しぶきが飛んだ。
「水など……聖断刀で斬ってくれる!」
片手には白銀の大太刀。その聖断刀で水の竜巻を切り払ったのだ。
「そんな……」
「では……こちらから参るっ!」
デュッセルは聖断刀を両手で垂直に構えた。
「聖断刀・地すり聖眼ッ!!」
タクスに向かって猛ダッシュで接近した。
「は、早い!?」
予知能力が追いつかなかったためか、タクスはその場で立ち尽くす他なかった。
「はぁぁぁっ!!」
「うわぁっ!!」
聖断刀の切っ先はすでにタクスの胸の辺りにあった。そして、目にも止まらぬ
速さで、その聖断刀でタクスの胸を架する様に斬った。
そしてタクスの後ろに回りこんだデュッセルは再び剣を構えた。
「とどめッ!ホーリーセイバー・ストライクゥゥッ!!」
前方全体に聖断刀の放つ閃光が放たれ、タクスはその閃光で斬りつけられた。
「ぅっ、くっ……」
その一撃をくらったタクスは血を流してその場に倒れた。
「そ、そんな……タクスーッ!!」
ネイアーは思わず叫んでしまった。スレイド=ヴァリアーを倒したタクス。
しかし聖白銀の戦神には敵わなかった。
「くっ! あなた達、無理よ! ここから逃げるを先決しなければ彼は死んでしまうわ!」
マリアズがそう言ったとき、数人のネイホの兵がデュッセルを押さえた。
「あなた達は、マリアズさんを連れて、戻ってください!」
「ネイアー、マリアズさんを連れて先にいけ! オレはタクスを背負って戻る!」
「でも……うん、わかった。ガイ、タクスを頼んだよ!」
ネイアーとマリアズは走ってバイラヴァの門を抜けていった。
続いてガイがタクスを背負って走っていった。
「――おぬしらも、逃げろ」
自分を押さえていた兵に、デュッセルは言った。
「ネイホのため、ここは退けない!」
「そうか……承知した」
デュッセルは押さえていた兵達を吹き飛ばした。
「ならばこの聖断刀……受けきって見せよ!!」
(俺のいる場所は、本当にここなのか?)
そう心の中で自分にデュッセルは問いかけた。
続く
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