エピローグ


あれから、少しの時が過ぎた……
「さぁて、今日も村を直そうか」
ネイアーは、家を出るなり元気そうに笑った。
そして、家の横に立っている墓を見た。
「お母さん、お父さん、ユイ……あたし、がんばってるよ!」


「ねぇ、デュッセル〜。今日はもう歩くのはいいだろ?
飽きたよ、いい加減に――」
「そうか。ならば置いていくぞ」
「それだけは勘弁!!」
デュッセルとキシュガルは二人で放浪の旅をしていた。
昨日も歩き、今日も歩き、明日も歩き。
困っている人がいれば助けて、旅をし続けている。


「家は、こんな感じかな。ルベリィ、釘取ってー」
「うん、わかった!」
タクス、ルベリィはラミアズ村の家を直している最中だった。
ルベリィは軍を抜けたため、タクスについて行く事にしたのだ。
「よし……できた。あ、そういやゲイザは?」
「きっと、いつもの場所にいると思うけど」
「じゃ、俺呼んで来るから」
そういってタクスは走っていった。


「ふぅ……」
ゲイザは森のいつも剣の稽古をしていた場所の木の陰に座っていた。
「…………」
何も言わずに胸に下げてあるミリアのペンダントを手にとって見た。
ミリアが残して行ってくれたペンダント。
たった一つの、彼女との思い出が詰まったものかもしれない。
「おーい、ゲイザ!!」
「タクス! 今行く!」
ゲイザはペンダントから手を離しタクスの声がする方へ走っていった。

ゲイザは、大切な者を失ってしまったけれど、
全てを失ってはいなかった。
それに……
ミリアとマイは、心の中にいる。
マインドオブライト(心を照らす光)として……


彼らの物語は、まだ続く・・・


END

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