「記憶と仮面」
僕は誰もいない。
いや、いるけれどいないに等しい。
親は死に、兄弟は離れ離れになった今、僕に残されているものは
このペンダントと思い出だけだ。
ペンダントと共に、家族とすごした思い出がある。
そしてまた、僕は暖かい人のぬくもりを探すために
旅をしている。

そして僕は、いっぱいあるいてたどり着いた。
そこは様々な人が沢山いて、とても楽しそうなところ。
そこは様々な出会いと別れがあり、暖かいところ。
ここだったら、僕は悲しい思いをせずに済む。
僕はそう思って、その暖かいところへ入っていった。
笑っている人、泣いている人、怒ってる人・・・・・・
僕はその光景をみて、優しさが欲しいと思うようになってきた。
ある一人の、僕と同い年ぐらいの少女が、隅っこで佇んでる僕に
話しかけてくれた。
「何してるんですか?一緒に話しましょうよ」
笑ってた。とても優しさを感じられた。

そして僕はその子と話していくうちに、親しくなって
忘れかけていた笑いを取り戻していた。
僕が苦しいときは彼女が支えてくれた。
彼女が苦しいときは僕が支えてあげた。
でも、それもつかの間のことだ。
親しくなりすぎたら、ダメだ。
僕は一人で生きれなくなってしまう。
また、昔のように悲しい思いをしてしまう。
だから僕は、とても大好きな彼女にさよならを言うことにした。
僕が死んだら、彼女が悲しむ。
彼女が死んだら、僕が悲しむ。
僕はもう悲しみたくない。それならいっそ、消えたほうがマシだ。
悲しんでいるひとはもうみたくない。
だから僕は彼女に「さよなら、僕はもうここにはいられない。
僕のことは忘れていいから・・・・・でも、君には笑っていて欲しいんだ」
そういって僕は去った。

でもやっぱり寂しい。心に穴が開いたように。
また一人だ。孤独が僕の心を覆いつくす。
戻りたい・・・・・・暖かいあの場所へ・・・・・・・・
僕がいたかったあの場所へ・・・
嫌われても、嫌がられてもいい。
僕はついさっき歩いていた道を戻っていった。

孤独に覆われた心をわしつかむように、胸の辺りの服をわしつかむ。
重くなった足を引きつりながら。
暖かい場所だ・・・・・・
僕の孤独が剥がされてゆく。
僕はまた、暖かい場所で笑っている。
ー偽りの名前と仮面をつけながらー




〜あとがき〜
ノリで作った短編小説です。
短編小説ってのもなかなか難しいものですね。
まあ、駄作なら駄作でOKです。(ぇ
久しぶりに小説書きましたからね〜・・・・・・
そこんところ大丈夫かな?と心配してます。
それでは。

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